巷に溢れる動画配信用マイクのレビューを見ると、どれもこれもノイズが多いだの何だのと書かれています。
今回紹介するマランツのMPM-4000も同様です。
それならば、どのマイクがいいんだ!?と思ってしまう人も多いと思います。
本当にノイズが多いのだろうか?マランツのMPM-4000Uを自腹購入して試してみたので、それを検証すべくレビューします。
マランツ MPM-4000Uでノイズが多くなる理由
まずは、マランツMPM-4000のノイズについて検証してみましょう。
巷のレビューから推察する限りは、次の4通りに分けられます。
- 「シャー」というノイズ。
- 「ゴォォォ…」というノイズ
- マイクに触れた際に発生するいわゆるハンドリングノイズ
- ミュートボタンを押した際に鳴るノイズ
1・2の理由
MPM-4000Uのマイクの向きは、ミュートボタンがある面を真正面にして、その向きで話すのが正解。
MPM-4000と同じような形をしているタイプは大抵同じような指向特性になっています。
ちゃんとした向きでしゃべらないと、マイクで拾った音が小さくなってしまうのです。
音が小さければ、本体のゲインを上げる⇒そのためにノイズレベルが上がってしまう。そういった構図なのです。
「シャー」は、ヒスノイズと呼ばれるもの。「ゴォォォ…」というのは、周囲から発生している雑音、いわゆる環境ノイズと呼ばれるもので、離れた場所の工事の音、一軒家だと車のロードノイズなどを拾ったりすることも…。
YouTuberのマネをして、斜めにするとカッコいいのだと言わんばかりにマイクを斜めに傾けているケースがあるようだけれど、MPM-4000Uでは間違い。
どうしても、斜めにしたければ、そのように使えるマイクを使うべきなのです(たまに、YouTuber自身も間違って使っているケースを見かけますが)。
それは、ユーザー側の選定ミス及び使用上のミスであり、製品自体がノイズが多いからではないのです。
3の理由
また、ハンドリングノイズは、ゲインを上げすぎれば、マイクを触れた音をどうしてもノイズとして拾ってしまうのです。
MPM-4000のような類のマイクは、ゲインを下げれば軽減されるものの、マイクを握って喋ることを想定していないので、ハンドリングノイズに関しては仕方ない面も。
4の理由
MPM-4000Uは、機械スイッチを使用しており、しかもマイクユニットの近くにあるためどうしようもありません。
また、電気的に発生しているケースが多々あり、折角ミュートスイッチがあるだから、生配信でも問題にならぬよう改善されるとよいのではと思っています。
後述するが、生配信でなければ、ノイズを消す方法もあるので、参考にしてください。
「MPM-4000U」のノイズ解消方法教えます!
マイクの音量に関しては、14mmという大口径単一指向性(カーディオイド)マイク搭載(上の画像の丸いヤツね!)で、かつ感度が-32dBVとボーカル用コンデンサーマイクよりも高くなっています。
そんなこともあり、ボリュームを最大にすると、ホワイトノイズが若干大きくなり、周囲の音を盛大に拾ってしまう有様。
MPM-4000Uに限らず、この手のUSBマイクでノイズを低減させるにはどうしたらよいかというと…
ノイズを嫌うのであれば、無駄にゲインを上げぬよう、極力マイクに近づいて喋る
以上が正しい使い方です。
あまりマイクから離して喋ると、どうやってもゲインを上げなければならないので、ノイズが際立ってしまいます。
ナレーションの場合は、入力ゲイン控えめにして、近づいて喋るのがお勧めです。
撮影していて、絵的にマイクを映したくない場合もあり、マイクが映らないよう20~30cm位離すケースもあろうかと。
マイクの音量調整を最大、Windowsのサウンド設定でマイクの音量を小さめにする
そのようにすれば、少しはノイズが目立ちにくくなります。
これは、S/Nをよくするのに使われる方法です。
よくマイクのレビューで、ノイズが大きいとか言っている人は、ゲインを高めにしマイクから離れて喋っている向きが多いのではないかと思います。
上の画像はあくまでも一例(Windows11)。Windowsのサウンド設定に限らず、Premiere Proなどの動画編集アプリでもミキシングできるので、アプリ上で調整してもOK!
初段(マイク)で音量を上げると、ダイナミックレンジが悪化するので、ガナって喋る人には100%向かない方法ではあります。
相当な声量を持つガナリアン(?)なら、
マイクの音量調整を最低限の音が出てくる程度にセッティングして、ガナル!
MPM-4000Uだと、その運用方法がベター。
アーティストなんかも、シャウトして歌う人は、ワイヤレスマイクの入力ゲインを相当下げて使うので、用途に応じたセッティングも大切です。
場合によっては、更にマイクを適当な音量となるよう距離を離すと良いこともありますので、MPM-4000Uで大きな音を拾う場合は試してください。
それでも取り切れないノイズは、
ダメ押しでPremiere Proなどのアプリにあるノイズフィルターを使い、極力音質が悪くならない程度に何とかする
…以上の方法もあろうかと。
かなり小さくなったノイズを、更にBGMを使って誤魔化してしまえば完璧!(;^o^A
画像は凝っていても、音声処理が結構いい加減なYouTuberもいるので、細かい所ではありますが、視聴者ファーストということで気を付けておきましょう。
MPM-4000Uのメリット・デメリット
- ゲイン調整が本体に付いているので、操作しやすい。
- ミュートスイッチが本体にあり。
- 三脚が付いている。
- アプリによっては、喋った声が遅延して、妙な感じになる.
- ミュートボタンのノイズを拾ってしまう。
MPM-4000Uレビューの解説
ここでは、私が上記レビューの評価に至った経緯を解説しています。
ゲイン調整が本体にあり
ゲイン調整が本体に付いているのと、通常のボリュームなので操作しやすくなっています。
ミュートスイッチが本体にあり
これはデメリットでもあるのですが、ミュートスイッチが本体にあるので、使いやすくなっています。
三脚が付いている
買ったらすぐに使えるよう、三脚まで付いているという凝りよう。
音の遅延
コイツは、マイク側でモニターができるようになっています。
しかし、PCに接続すると、Windowsの標準サウンドとして認識されてしまうので、アプリによっては、喋った声が遅延して、妙な感じになります。
PCからの音だと結構遅延してしまうので、「えっ? えっ??」となってしまい、喋りに集中できなくなるのです。
録音の際は、MPM-4000Uでモニターせず、PC側でスピーカーをミュートしてから喋るのがお勧めします。
とは言っても、PCの操作がめんどいのよね(PCによっては、キー操作でミュート可能)。
MPM-4000Uにもダイレクトで音声がモニタできる機能があったらよかったのにと思いました。
この辺は、値段の兼ね合いもあり、仕方がないのかも知れないね。
ミュートした時のポップノイズ
これは、機械的なボタンが本体に付いているため、どうしてもスイッチ音を拾ってしまうので、ある意味仕方のない所ではありますが、人によっては、これをすごく嫌う向きも。
100%なくなるわけではないですが、本体の音量調整を下げて使えば、軽減されます。
生配信でなければ、動画編集の際、ノイズ波形をカットすれば100%なくすことは可能ですが、喋るタイミングによっては音切れしてしまうので、注意が必要です。
MPM-4000Uの仕様
・マイクタイプ:14mm コンデンサー型
・指向性:カーディオイド
・周波数特性:30Hz~18kHz
・感度:32dB (0dB = 1V/Pa @ 1kHz)
・最大SPL:130dB (@ 1kHz 1 % THD)
・サイズ: (D x L) 46 mm x 168 mm( マイク本体)
・重量:約370g(マイク本体)
・DAC サンプリングレート:32, 44.1, 48kHz
・THD+N:0.005%
・SN比:96 dB
・ダイナミックレンジ:93 dB
・ステレオ出力:400mW
・端子:USB-C/Φ3.5ステレオジャック(ヘッドホン)
・ADC サンプリングレート:8, 11.025, 16, 22.05, 32, 44.1,48kHz
・THD+N:0.01%
・SN比:89dB
・ダイナミックレンジ:89dB
MPM-4000Uは使いやすいぞ!
何度でも言いますが、MPM-4000Uはマランツプロフェッショナルブランド。
価格が価格なので、流石に「プロフェッショナル」と名乗るのはおこがましいよな…胡散臭さ抜群ではないかと思った次第です。
ミュートボタンやマイクの音量調整はマイク側に付いていると、イチイチPCで操作しなくてよいのです。
PCの音量調整って結構やりづらいし…。
コイツに決めたのは、
- あまり悪いレビューがなかったこと。
- ミュートボタンやマイクの音量調整があるのが使いやすそうだったから。
- マイクスタンドが付属していたこと。
以上3点ですね。
マイクスタンドが付いていれば、買ってすぐに試せるから。別に買う物だと、到着するタイミングによっては、マイクがお試しできないこともあるから、重要です。
実際に音撮りを行った所、思った通り、マイクの音量調整がボリューム式で使いやすく、PCと違い、細かく調整できます。
この他に、三脚やUSBケーブルが付属しているのも嬉しい誤算。
買ってすぐ使えるのが非常に嬉しいところです。
マランツさん、「プロ」と名乗っていることを胡散臭さ抜群と言ってしまってごめんなさい!
いい意味で、凄く期待外れだったので、私はビックリしているのですよ。
値段がお手頃なのに、安物のなんちゃってマイクではなく、14mmの本気(マジ)もの大口径マイクを搭載しており音もよく、配信用マイクとして使い勝手がいいので、マランツMPM-4000Uを是非試してみてください。
きっと、よい相棒になれるはずですよ!
\配信用に使い勝手がいいマイク マランツMPM-4000U/