この記事を書いた人(きのぴぃ)
部品メーカー広告宣伝記事・電気系の雑誌や無線雑誌の元ライターをやってました。
以前よりガジェット集めをやっており、本業(電子機器メーカー勤務)の知見を活かしたレビューが得意です。
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ネットでは最近中華イヤホンが静かなブームとなっているのをご存じだろうか。デュアルドライバーイヤホンが100円ショップでプチプラで買えてしまうという情報を聞きつけた。中々店舗で見つけることができなかったので、これは単なる都市伝説か?と思っていたら、なんと100円ショップであるCanDoで本当に売っていたのだ。
ガジェットライターからの視点で、実際に使用した上であらゆる角度からこの謎のデュアルドライバーイヤホンを鋭くレビューしたい。
ネタなのか!? デュアルドライバーで330円
最近ネットを見ていると、330円のイヤホンが静かなブームとなっているという噂がチラホラと。しかも、そいつはこともあろうにデュアルドライバーというではないか!?
「絶対これはネタだろ? どれだけ酷い音なんだ(失礼!)」と興味津々。
この330円イヤホンは、100均ショップであるキャンドゥとワッツに売っているとのことだけれど、入手するべく、身近にあるキャンドゥを探すが、全くない(売れているのか??)。ワッツも身近にないので、途方に暮れていたら、キャンドゥにネットショップがあることを知る。
ネットショップなので、当然送料が発生するが、あちこち行って無駄に交通費を払う位なら、まだましだろう…と。平日の夜にオーダーすると、2日後には届いていた。対応が早い(後で、ワッツにもオンラインショップがあることを知った)。
ネットでレビュー記事が紹介されている物(E-13)を見ると、ケーブルに螺旋状のラインが付いているが、コイツには付いていない。ケースもピンクゴールドではない。
どうも、別の機種らしく、メーカーの製品紹介にはないE-18という型番だった。OEM製品だからか??
パッケージから取り出すと、本当だ。安い作りではあるが、ちゃんとドライバーが2個あるじゃないか。税込み110円でイヤホンを売っているのも凄いと思うが、税込み330円デュアルドライバーのイヤホンというのも、ある意味凄いと思う。
狭いスペースでダイナミック型のドライバーを押し込んでいるし。
イヤホンを観察していると、音質調整の物と思われる穴が開いている。チープではあるけれど、見かけ上、しっかり考えて作っているのではと思われる。
イヤーピースは人によってはダメかも
装着感は凄くいい。しかし、実際に試聴した所、正直、低域が感じられない状態だった。見てみれば、製品に付いているイヤーピースはMサイズのよう。おいらの場合は、Mサイズでは小さすぎて、Lサイズでないと、音が漏れてダメなのだ。
キャンドゥよりも身近にはダイソーが沢山あるので、そこでイヤーピースを購入し(キャンドゥさん、ごめんよ)、Lサイズのイヤーピースに交換。キャンドゥやワッツが近くにある人は、そこで買ってあげてくれ。(;^o^A
早速、Lサイズの物に交換すると、見違えるほどの音になったではないの。
試聴したらどうか
iPhone13ProMaxを使って、Amazon Music Unlimitedでテストしてみる。ご参考までに。イヤーピースは、Lサイズに交換して行った。
【Ultra HD(24bit/96kHz)】低域だけでなく、高域もなんだかおとなしめのように感じる。とはいえ、300円でこの音というのは、特筆もの!? この曲を聴くときによく注目する、ギターのディストーションが掛かる所も周波数特性のせいなのか、おとなしい感じがするかな。
【ドルビーアトモス】音の広がり感があり、没入できるドルビーアトモス。出だしのAdoのスカっとした歌声なはずが、なんだか高音域の伸びがイマイチかも。300円のイヤホンに音云々を求めるのは酷?
【ドルビーアトモス】こちらもドルビーアトモスで聞いてみる。低域だけでなく、高域もなんだかおとなしめで、なんか物足りない感じ。とは言え、全くダメダメということもない。
【Ultra HD(24bit/48kHz)】こちらも全体的になんか元気がない感じ。水樹女史のビブラートも何だか冴えないのが残念…。
【HD(16bit/44.1kHz)】うーん。やっぱり元気がない感じに聞こえる。全く、デュアルドライバーの効能が感じられない。
デュアルドライバーではあるが…
色々試聴したのだけれど、ネット情報通り、デュアルドライバーの利点である音の分離が全く感じられない。もやが掛かっているという表現をしている人もいるみたい。
デュアルドライバーの特徴である、すっきりしゃっきり感がないのだ。しかし、スケルトンになっているケースからはドライバーが2つ見える。ドライバーは確かに2つあるのだ。
分解して周波数特性をチェックしていないので、ここからは想像になるが、単に同じドライバーを2個並べただけの製品ではないかと。そうなると、音の分離が感じられないと言うのは、納得がいく所。
分解してみると、1個当たり16Ωのドライバーが付いていた。並列に付いているので、合計8Ωということになろうか。iPhone で鳴らす分には、特に音が小さいということもなかった(iPhoneには、Lightning-イヤホンジャック変換コードを使用)。
パッと見では、同じドライバーが付いているようにも見える。果たして…。
同じドライバーを2個並べただけでは音質云々については全く効能はないけれど、同じ位相の音がするので、音を強め合う効果が得られる。つまり、音が大きくなるという効能があるのだ。
位相を使って行うノイズキャンセルは、逆相の音を使って、打ち消しあうのだけれど、それと逆の効果という訳。
有名メーカー製ではないけれど、何千円クラスで酷い音の物も過去にはあったので、330円という値段を考えれば、音云々もよくできている方だと思う。付け心地もいいし、高額のイヤホンと比較しなければ、人によってこれはこれでありかも知れない。
いいイヤホンを持っている人にとっては、絶対にメインとして使おうとは思わない物ではあるけれど、おもちゃとしては最適かも。330円なので、怖いもの見たさや冷やかしで購入される人は、是非どうぞ。
欲を言うならば、イヤーピースのS/Lサイズも入れてもらえると、かなりコスパはいいのではと。ちなみに、キャンドゥは黒・白の2色、ワッツはゴールド1色となっている。
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