毎日使うお湯を供給してくれるガス給湯器。
いざ故障したり、寿命が近づいたりして交換が必要になったとき、多くの人が直面するのが「どの業者に頼めばいいのだろう?」という悩みです。
ガス給湯器の交換は、専門的な知識と技術が必要な工事であり、決して安い買い物ではありません。
だからこそ、信頼できて、適正な価格で、質の高い工事をしてくれる業者を選びたいものです。
しかし、世の中には残念ながら、手抜き工事をする業者や不当に高額な請求をする悪質な業者も存在します。
そんな業者に捕まって後悔しないためには、正しい知識を身につけ、慎重に業者を選定する必要があります。

交換工事ってどんな流れで進むの?



良い業者と悪い業者の見分け方は?



見積もりや契約で注意すべきことは?



実際にどんなトラブルがあるの?
この記事では、ガス給湯器の交換を検討し始めてから工事が完了し、安心して新しい給湯器を使い始めるまでの全手順をステップ・バイ・ステップで解説します。
さらに、信頼できる優良業者を見極めるための具体的なチェックポイント、悪徳業者の手口と契約トラブルを回避するための秘訣、そして実際にあったトラブル事例とその予防策まで、ガス給湯器の業者選びと交換工事に関するあらゆる情報を網羅的に提供します。
この記事を読み終える頃には、あなたは業者選びのポイントをしっかり理解し、自信を持って最適なパートナー業者を選び、安心・満足のいくガス給湯器交換を実現できるようになっているはずです。
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ガス給湯器交換の全手順
故障発生から工事完了までのステップ・バイ・ステップ
ガス給湯器の交換は、ある日突然必要になることもあれば、計画的に進めることもあります。
どちらの場合でも、慌てずスムーズに進めるために、一般的な交換手順を把握しておきましょう。
給湯器の不調・故障のサインに気づく
まずは、ご自宅の給湯器に以下のような不調や故障のサインが出ていないか確認します。
- お湯が出ない、またはお湯になるまで時間がかかる
- お湯の温度が不安定(ぬるい、熱すぎる)
- 給湯器本体から異音がする(「ゴーッ」「ボンッ」など)
- 給湯器から異臭がする(ガス臭い、焦げ臭い)
- 給湯器本体や配管から水漏れしている
- リモコンにエラーコードが頻繁に表示される
- 排気口から黒い煙やススが出る(これは特に危険なサインです!)
ガス臭い場合や、排気口から黒煙が出ている場合は、ガス漏れや不完全燃焼の危険性があるため、直ちに使用を中止し、窓を開けて換気を行い、契約しているガス会社または専門業者に連絡してください。
情報収集と交換の意思決定
不調の原因や程度によっては、修理で対応できる場合もあります。
しかし、一般的に給湯器の寿命は10年~15年程度と言われており、使用年数が長い場合や修理費用が高額になる場合は、交換を選択した方が結果的にコストパフォーマンスが良いことが多いです。
- 交換か修理かの判断基準:
- 使用年数: 7~8年以上経過している場合は、交換を検討し始める時期です。10年以上なら交換が推奨されます。
- 故障の頻度・箇所: 頻繁に故障する、複数の箇所が故障している場合は交換が無難です。
- 修理費用: 修理費用が5万円を超えるようなら、新しい給湯器への交換費用と比較検討しましょう。
- 部品の供給状況: 古い機種の場合、修理部品の供給が終了していることがあります。
- 機種選定(概要): 交換を決めたら、次はどのような給湯器にするか情報収集を始めます。省エネ性能の高いエコジョーズにするか、家族構成に合った号数(給湯能力)はどれか、オートタイプかフルオートタイプかなど、基本的な希望をまとめます。
業者探しと比較検討
信頼できる交換業者を見つけることが、満足のいく給湯器交換の最大のポイントです。
- 業者の探し方:
- インターネット検索: 「ガス給湯器 交換 〇〇市(お住まいの地域名)」「エコジョーズ 工事 評判」などのキーワードで検索。業者のホームページで施工実績や料金、利用者の声などを確認。
- 知人の紹介: 実際に給湯器を交換した知人や友人がいれば、業者を紹介してもらうのも良い方法です。
- 契約しているガス会社: 都市ガスやプロパンガスの供給会社に相談する。安心感はありますが、価格が割高になる傾向も。
- 家電量販店・ホームセンター: 給湯器の販売と交換工事を行っている場合があります。提携業者が工事を行うことが多いです。
- 複数業者への見積もり依頼の準備: 最低でも2~3社、できれば3~5社程度の業者をリストアップし、見積もりを依頼する準備をします。ステップ2でまとめた希望(機種のタイプ、号数、機能など)や、現在の給湯器の情報(メーカー、型番、設置状況の写真など)を整理しておくとスムーズです。
現地調査と見積もり取得
選定した業者に連絡を取り、現地調査と見積もりを依頼します。
- 現地調査の重要性: 正確な見積もりを出すためには、業者が実際に設置場所を確認する「現地調査」が不可欠です。給湯器の設置状況、配管の状態、排気の位置、ドレン排水の経路(エコジョーズの場合)などを詳細に確認し、必要な工事内容や追加費用の有無を判断します。電話やメールだけの簡易見積もりは、後で追加料金が発生するリスクがあります。多くの優良業者は、現地調査と見積もり提出を無料で行っています。
- 見積書の内容確認: 業者から提示された見積書は、総額だけでなく、詳細な内訳(本体価格、標準工事費、追加工事費の項目と金額、使用部材など)をしっかり確認します。不明な点があれば、遠慮なく質問しましょう。
業者選定と契約
複数の業者から見積もりが出揃ったら、内容を比較検討し、最終的に依頼する1社を決定します。
- 見積もり比較と業者決定のポイント:
- 価格だけでなく、工事内容、保証内容、業者の実績や信頼性、担当者の対応などを総合的に比較します(詳細は後述)。
- 極端に安い見積もりには注意が必要です(手抜き工事や後からの追加請求のリスク)。
- 契約書の内容確認: 契約前には、契約書(または注文請書)の内容を隅々まで確認します。
- 最終的な工事総額
- 工事日程、工期
- 支払い条件(支払い時期、方法)
- 製品保証と工事保証の内容・期間
- キャンセルポリシー、クーリング・オフに関する記載
- 使用する機器の型番
全ての項目に納得した上で、署名・捺印します。
交換工事の実施
契約内容に基づき、交換工事が行われます。
- 工事当日の流れ: 一般的には、既存給湯器の撤去、新しい給湯器の設置、配管接続、リモコン交換、試運転という流れで進みます(詳細は後述)。
- 立ち合いの注意点: 工事開始時と完了時には、できるだけ立ち会い、作業内容や設置状況を確認しましょう。疑問点があればその場で質問できます。
- 工事時間の目安: 給湯器の種類や設置状況によって異なりますが、一般的には3~6時間程度で完了します。
試運転・取扱説明と工事完了確認
工事が完了したら、業者の担当者と一緒に試運転を行い、正常にお湯が出るか、リモコン操作は問題ないかなどを確認します。
- 取扱説明: 新しい給湯器やリモコンの操作方法、日常のお手入れ方法、エラーコードが表示された場合の対処法などについて説明を受けます。
- 保証書や取扱説明書の受け取り: 製品の保証書、工事保証書(あれば)、取扱説明書などを必ず受け取り、大切に保管しましょう。
全ての確認が終わり、納得できたら工事完了となります。
アフターフォローとメンテナンス
優良な業者は、交換後のアフターフォローも重視しています。
- 定期点検の案内: メーカーや業者によっては、定期的な点検サービス(有償・無償)を案内してくれる場合があります。
- トラブル時の連絡先確認: 万が一、使用中に不具合が発生した場合の連絡先や対応体制を確認しておきましょう。
信頼できる優良ガス給湯器交換業者の見極め方10のチェックポイント
数多くの業者の中から、本当に信頼できる優良業者を見つけ出すのは簡単なことではありません。
ここでは、業者選びで失敗しないための10の重要なチェックポイントを解説します。
【資格・許可】必要な資格や許認可を保有しているか?


ガス機器の設置や接続工事には、専門的な知識と技術、そして法的な資格が必要です。
- ガス機器設置スペシャリスト(GSS): ガス機器の設置工事に必要な知識・技能を有することを日本ガス石油機器工業会が認定する資格。
- 液化石油ガス設備士: プロパンガス(LPガス)の設備工事を行うための国家資格。
- ガス可とう管接続工事監督者: ガス栓とガス機器をガス可とう管(強化ガスホースなど)で接続する工事を監督するための資格。
- 給水装置工事主任技術者: 給水装置(水道管)の工事に関する技術上の管理を行う国家資格。
- その他: 特定ガス消費機器の設置工事の監督に関する法律(特監法)に基づく資格、電気工事士(電源工事が必要な場合)など。
- 建設業許可: 請負金額が一定額以上(500万円以上)の工事を行う場合に必要。リフォーム全般を手がける業者なら持っていることが多いです。
- ガス会社指定工事店・メーカー認定店: 特定のガス会社や給湯器メーカーから認定を受けている業者は、一定の技術力や信頼性があると判断できます。
これらの資格や許可の有無を、業者のホームページや見積もり時に確認しましょう。


【施工実績】豊富な実績と専門性があるか?


長年の経験と豊富な施工実績は、技術力の高さを測る一つの指標です。
- ホームページでの施工事例の公開状況: 具体的な工事内容や設置機種、顧客の声などを写真付きで公開しているか。
- エコジョーズなど特定機種の取り扱い経験: 特にエコジョーズはドレン排水工事など特有の作業があるため、設置経験が豊富な業者を選びましょう。
- 創業年数や年間施工件数: 長く営業している、多くの工事を手がけていることは、信頼性の目安になります。


【見積もり】透明性があり、詳細な見積もりを提示するか?


見積書の内容は、その業者の誠実さを映す鏡です。
- 「一式」ではなく、項目ごとの詳細な内訳: 何にいくらかかるのかが明確に記載されているか(給湯器本体、リモコン、標準工事費、追加工事費の各項目など)。
- 追加料金が発生する可能性とその条件の明示: 想定外の事態で追加費用がかかる場合、どのようなケースでいくら程度かかるのか、事前に説明があるか。
- 使用する部材のメーカーや型番: 不明瞭な記載で安価な粗悪品を使われないように。


【価格】適正価格であるか?(安すぎず、高すぎず)


価格は重要な選定基準ですが、安さだけで選ぶのは危険です。
- 相見積もりによる比較の重要性: 複数の業者から見積もりを取り、適正な価格帯を把握しましょう。
- 極端に安い見積もりのリスク: 手抜き工事、必要な部材の省略、保証がない、後からの高額請求などの可能性があります。
- 高すぎる見積もりのリスク: 不必要な工事や高グレードな機種を勧められている、不当に利益が上乗せされている可能性があります。


【説明・対応】丁寧で分かりやすい説明、誠実な対応か?


問い合わせ時や現地調査時の担当者の対応は、その業者の姿勢を判断する上で非常に重要です。
- 質問への回答の的確さ、専門知識: 専門的な内容も素人にも分かりやすく説明してくれるか。
- メリットだけでなくデメリットも説明するか: 都合の良いことばかりでなく、機種や工事方法のデメリット、リスクなども正直に伝えてくれるか。
- こちらの要望や不安をしっかり聞いてくれるか: 親身になって相談に乗ってくれるか。
- 連絡の迅速さ、言葉遣い: 社会人としての基本的なマナーが守られているか。


【保証・アフターサービス】製品保証・工事保証が充実しているか?


給湯器は長期間使用するものなので、万が一の故障や不具合に備えた保証とアフターサービスは不可欠です。
- メーカー保証: 通常1~2年の製品保証が付いています。機種によっては有料で3年、5年、7年、10年などの延長保証に加入できる場合があります。
- 工事保証: 施工業者が独自に設ける保証で、工事の不備が原因で発生した不具合に対応します。保証期間(例:3年、5年、10年など)と保証範囲(どこまで無償で対応してくれるか)を必ず確認しましょう。書面で保証書が発行されるかどうかも重要です。
- 定期点検や緊急時対応の体制: 交換後の定期的な点検サービスの有無や、故障発生時の連絡先、対応時間なども確認しておくと安心です。


【保険加入】万が一の事故に備えた損害賠償保険に加入しているか?


工事中に誤って家屋を破損してしまったり、水漏れで階下に被害を与えてしまったりといった万が一の事故に備えて、業者が生産物賠償責任保険(PL保険)や請負業者賠償責任保険などの損害賠償保険に加入しているか確認しましょう。
保険加入の有無は、業者の責任感の表れでもあります。


【口コミ・評判】実際の利用者の声はどうか?


インターネット上の口コミサイトやGoogleレビュー、業者のホームページに掲載されている「お客様の声」なども参考になります。
【確認ポイント】具体的な評価(価格、工事の質、対応、スピードなど)、良い点だけでなく悪い点も書かれているか。
【注意点】
- サクラや自作自演の可能性: 極端に良い評価ばかり、同じような内容の投稿が続く場合は注意。
- 悪質な口コミ: 競合他社による誹謗中傷の可能性もゼロではありません。
- 個人の主観: あくまで個人の感想なので、全てを鵜呑みにせず、参考程度に留める。
- 更新日時: あまりに古い口コミは現状と異なる場合があります。
複数の情報源から多角的に情報を集め、総合的に判断することが大切です。


【地域密着度】地元での営業年数や評判はどうか?


地元で長年営業している業者は、それだけ地域からの信頼が厚いと考えられます。
また、何かあった場合に迅速に対応してくれる可能性も高いでしょう。
地元の知人やご近所の方に評判を聞いてみるのも良い方法です。


【契約内容】契約書の内容が明確で、不当な条項がないか?


最終的な契約書の内容は、法的に有効なものです。安易にサインせず、必ず隅々まで目を通し、納得した上で契約しましょう。
クーリング・オフに関する記載があるかも確認が必要です。


要注意!悪徳業者の手口と契約トラブル回避策
残念ながら、ガス給湯器交換の業界にも、消費者を騙そうとする悪質な業者が存在します。
ここでは、よくある手口と、そうしたトラブルを未然に防ぐためのポイントを解説します。
よくある悪徳業者の手口
極端に安い広告や訪問販売での強引な勧誘
- 「工事費無料!」「本体〇万円~」といった格安広告で誘い込み、実際には高額な追加料金を請求する。
- 突然訪問してきて、「近所で工事をしているついでに無料で点検します」などと言って上がり込み、不安を煽って契約を迫る。
不安を煽って即契約を迫る
「このままでは危険です」「すぐに交換しないと大変なことになる」などと過度に不安を煽り、冷静な判断をさせずに即日契約を迫る。
見積もりと称して高額な点検料を請求
無料見積もりのはずが、点検後に「点検料」「出張料」などと称して高額な料金を請求する。
不要な工事や高価な機種をしつこく勧める
まだ使える給湯器なのに交換を勧めたり、必要以上に高機能・高価格な機種を強引に勧めたりする。
「キャンペーンは今日まで」「今契約すれば特別割引」などと契約を急がせる
じっくり考える時間を与えず、その場での契約を強要する。
契約トラブルを未然に防ぐためのポイント
即決しない、その場で契約書にサインしない
特に訪問販売や電話勧誘の場合は、どんなに良い条件を提示されても、その場で契約するのは避けましょう。
「家族と相談します」「他の業者にも話を聞いてみます」と一旦保留し、冷静に考える時間を持つことが重要です。
必ず複数の業者から見積もりを取る
1社だけの話で決めず、必ず2~3社以上から相見積もりを取り、価格やサービス内容を比較検討しましょう。
契約書は隅々まで読み、不明点は必ず確認する
どんなに小さな文字で書かれていても、契約書は法的な拘束力を持ちます。
総額、支払い条件、保証内容、キャンセル条件など、納得いくまで確認し、疑問点は遠慮なく質問しましょう。
口約束ではなく、書面で残してもらうことが大切です。
クーリング・オフ制度について理解しておく
訪問販売や電話勧誘販売などで契約した場合、一定期間内であれば無条件で契約を解除できるクーリング・オフ制度が適用される場合があります。
契約書面にクーリング・オフに関する記載があるか確認し、万が一のために手続き方法を把握しておきましょう。
訪問販売の場合は特に慎重に対応する
アポイントなしの突然の訪問や、「無料点検」を謳う業者には警戒しましょう。
安易に家に入れない、点検を依頼しないことが肝心です。
不審に思ったら、きっぱりと断る勇気を持つ
少しでも「おかしいな」「怪しいな」と感じたら、曖昧な態度は取らず、はっきりと断ることが重要です。
相談窓口を知っておく
万が一トラブルに巻き込まれてしまった場合は、消費生活センター(局番なしの188番)や、ガス機器に関する相談窓口などに相談しましょう。
ガス給湯器交換工事当日の流れと注意点
信頼できる業者と契約を結んだら、いよいよ交換工事当日です。スムーズに工事を進めてもらうために、事前に流れを把握し、準備しておきましょう。
工事前日までの準備
- 作業スペースの確保: 給湯器の周りや、搬入・搬出経路に障害物がないように片付けておきましょう。
- 貴重品の移動: 念のため、作業場所の近くにある貴重品や壊れやすいものは、別の場所に移動させておくと安心です。
- 駐車スペースの確認(必要な場合): 業者の作業車を駐車するスペースが必要な場合は、事前に確認・確保しておきましょう。
- 工事内容の再確認: 契約内容や工事日程、開始時間などを再度確認しておきます。
工事当日の一般的な流れ(例:屋外壁掛型エコジョーズの場合)
業者や設置状況によって多少異なりますが、一般的な工事の流れは以下の通りです。
- 業者の到着、挨拶、作業内容の最終確認:
- 作業員が到着したら、まず挨拶と名刺交換(あれば)。
- 当日の作業内容、手順、所要時間などについて最終確認を行います。
- 養生作業:
- 必要に応じて、搬入経路や作業場所の床・壁などを傷つけないように養生シートなどで保護します。
- 既存給湯器のガス・水道元栓の閉栓:
- 安全に作業するため、まずガスの元栓と給湯器に繋がる水道の元栓を閉めます。
- 既存給湯器の撤去:
- 既存の給湯器本体と、接続されている配管(給水・給湯・ガス・追いだき)、リモコンなどを取り外します。
- 新しいエコジョーズの設置、固定:
- 新しいエコジョーズ本体を、壁面やPS内に正確な位置に取り付け、しっかりと固定します。
- 給水・給湯・ガス・追いだき配管の接続:
- 新しい給湯器に、給水管、給湯管、ガス管、追いだき管(ある場合)をそれぞれ接続します。接続部からの漏れがないよう、確実な施工が求められます。
- ドレン排水配管の施工(エコジョーズの場合):
- エコジョーズから発生するドレン水を排水するための配管工事を行います。排水経路を確保し、中和器を通して適切に排水できるように施工します。
- リモコンの交換、電気配線接続:
- 浴室とキッチン(または他の場所)にあるリモコンを新しいものに交換し、給湯器本体と電気配線を接続します。
- ガス漏れ・水漏れチェック:
- 全ての接続が完了したら、ガス漏れ検知器や石鹸水などを使ってガス漏れがないか、また水圧をかけて水漏れがないかを徹底的にチェックします。これは非常に重要な工程です。
- 試運転、動作確認:
- ガスと水道の元栓を開け、給湯器の電源を入れ、試運転を行います。
- お湯が正常に出るか、設定温度通りか、追いだき機能は作動するか、リモコンは正常に機能するかなどを確認します。
- 施主への取扱説明、リモコン操作説明:
- 作業員から、新しい給湯器とリモコンの基本的な操作方法、日常のお手入れ方法、エラー表示が出た場合の対処法などについて説明を受けます。分からないことは遠慮なく質問しましょう。
- 周辺の清掃、片付け:
- 作業で出たゴミや古い給湯器などを片付け、作業場所を清掃します。
- 工事完了確認、書類の受け渡し:
- 全ての作業が完了したことを施主が確認し、問題がなければ工事完了となります。
- 保証書(製品保証書、工事保証書)、取扱説明書、領収書などを受け取ります。
エコジョーズ特有のドレン排水工事の実際
エコジョーズの設置で特に重要なのがドレン排水工事です。
- 最も一般的なのは、近くの雨水桝や汚水桝に接続する方法です。
- それが難しい場合は、浴室や洗面所、キッチンの排水口に接続したり、エアコンのドレンホースに合流させたりする方法もあります。
- マンションのPS設置の場合、PS内に専用のドレン排水管が設けられているか、ベランダの側溝などに排水できるかなどを確認し、管理規約に従って施工する必要があります。
- 中和器の設置場所とメンテナンス性への配慮:
- ドレン水は中和器を通して排水されます。中和器は定期的な交換が必要な消耗品なので、メンテナンスしやすい場所に設置することが望ましいです。
ドレン排水工事の不備は、水漏れや悪臭の原因となるため、経験豊富な業者に確実な施工をしてもらうことが重要です。
工事中の立ち合いと確認ポイント
可能な範囲で工事に立ち会い、作業の進捗を見守りましょう。
- 作業の進捗確認: 不明な点や気になることがあれば、その都度作業員に質問できます。
- 最終的な仕上がりの確認: 配管の接続部分、リモコンの取り付け位置、本体の設置状態など、最終的な仕上がりを自分の目で確認しましょう。
所要時間の目安
給湯器の交換工事にかかる時間は、設置場所の状況や機種、工事の難易度によって異なりますが、一般的には3時間~6時間程度が目安です。
ただし、ドレン排水工事が複雑な場合や、予期せぬ追加工事が発生した場合は、もう少し時間がかかることもあります。
工事開始前に、おおよその所要時間を確認しておくと良いでしょう。
【実体験から学ぶ】ガス給湯器交換のよくあるトラブル事例と解決・予防策
どんなに慎重に業者を選んでも、予期せぬトラブルが発生する可能性はゼロではありません。
ここでは、実際にあったガス給湯器交換のトラブル事例と、その原因、そして同様のトラブルを未然に防ぐための予防策や、万が一発生した場合の解決策について解説します。


【原因】
- 契約前の見積もりが「一式」など大雑把で、追加工事の可能性について十分な説明がなかった。
- 現地調査が不十分で、工事当日に予期せぬ問題(配管の著しい劣化など)が発覚した。
- 悪質な業者が、意図的に安い初期見積もりを提示し、後から不当な追加料金を上乗せした。
【予防策】
必ず複数の業者から詳細な内訳が記載された見積もりを取り、総額と追加料金が発生する条件を事前に書面で確認する。
現地調査をしっかり行ってもらい、懸念点を洗い出してもらう。
契約書に記載のない追加料金は、その場で支払いに応じず、まずは説明を求め、納得できなければ消費者センターなどに相談する。
【解決策】
- 業者と話し合い、請求の根拠を明確にしてもらう。
- 契約書の内容と照らし合わせ、不当な請求であれば支払いを拒否する。
- 解決しない場合は、消費生活センターや弁護士に相談する。




【原因】
- 業者の技術力不足、経験不足。
- 手抜き工事、必要な確認作業の怠慢。
- 使用した部品の品質不良。
【予防策】
- 業者の資格(ガス機器設置スペシャリストなど)や施工実績をしっかり確認する。
- 工事保証の内容と期間を確認し、保証書を書面で受け取る。
- 工事完了時には、業者と一緒にガス漏れ・水漏れチェックを行い、試運転で異常がないか確認する。
【解決策】
- 直ちに業者に連絡し、無償での再工事や修理を要求する。
- 工事保証期間内であれば、保証に基づいて対応を求める。
- 業者が誠実に対応しない場合は、ガス会社や消費生活センター、場合によっては訴訟も検討する。




【原因】
- 業者のスケジュール管理の杜撰さ。
- 意図的な遅延や契約不履行(悪質な場合)。
【予防策】
- 契約書に工事日程と時間を明確に記載してもらう。
- 連絡が取りやすい、信頼できる業者を選ぶ(口コミなども参考にする)。
- 工事前日に確認の連絡を入れる。
【解決策】
- まずは業者に連絡を取り、状況説明と新たな日程調整を求める。
- 誠実な対応が見られない場合は、契約解除や損害賠償請求も視野に入れる(契約書の内容による)。




【原因】
- 業者の事務処理能力の低さ、失念。
- 申請代行の範囲について、業者と施主の間で認識のズレがあった。
- 悪質な業者が、最初から申請するつもりがなかった。
【予防策】
- 補助金申請を依頼する場合、どこまで代行してくれるのか、手数料はかかるのかなどを書面で明確にしておく。
- 申請に必要な書類(施主が用意するもの)は早めに準備し、業者に渡す。
- 申請の進捗状況を適宜確認する。
【解決策】
- 業者に状況を確認し、速やかな対応を求める。
- 申請期限が迫っている場合は、自分で申請手続きができないか、補助金事務局に相談する。
- 業者の過失で補助金が受けられなかった場合は、損害賠償を請求できる可能性もある。




【原因】
- 初期不良(製品側の問題)。
- 施工不良(業者側の問題)。
- 業者のアフターサービス体制の不備。
【予防策】
- 製品保証(メーカー保証)と工事保証の内容・期間をしっかり確認し、保証書を保管する。
- アフターサービスが充実している、地元で評判の良い業者を選ぶ。
【解決策】
- まずは保証書を確認し、保証期間内であればメーカーまたは施工業者に連絡し、無償修理を依頼する。
- 業者が対応してくれない場合は、メーカーに直接相談するか、消費生活センターに相談する。


DIYによるガス給湯器交換の危険性と法的問題(再確認)
「費用を抑えたいから自分で交換できないか?」と考える方もいるかもしれませんが、ガス給湯器の交換工事、特にガス管の接続作業は、専門的な知識と技術、そして法的な資格が必要です。
- 危険性:
- ガス漏れ:接続不良によるガス漏れは、火災や爆発、一酸化炭素中毒といった重大な事故を引き起こす可能性があります。
- 不完全燃焼:誤った設置や調整は、不完全燃焼を招き、一酸化炭素中毒の原因となります。
- 水漏れ:給水・給湯管の接続不良は、水漏れによる家財への被害や、階下への漏水事故に繋がります。
- 法的問題:
- ガス機器の設置やガス管の接続工事は、液化石油ガス法やガス事業法などに基づき、有資格者でなければ行うことができません。無資格者が行うと法令違反となり、罰則の対象となる可能性があります。
- 万が一事故が発生した場合、火災保険などが適用されないこともあります。
安全かつ確実に交換するためには、必ず資格を持った専門業者に依頼しましょう。DIYは絶対に避けてください。
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信頼できるパートナー業者を見つけて、安心・満足の給湯器交換を!
ガス給湯器の交換は、機種選びから業者選定、実際の工事、そしてアフターフォローまで、多くのステップと確認事項があります。
特に「信頼できる業者を選ぶ」ことは、交換工事の成否を左右する最も重要な要素と言っても過過言ではありません。
この記事で解説した「交換の全手順」「優良業者の見極め方10のチェックポイント」「悪徳業者の手口と契約トラブル回避策」「工事当日の流れと注意点」「よくあるトラブル事例と解決・予防策」といった情報が、あなたの業者選びの一助となり、不安を解消し、自信を持って最適なパートナーを見つけるためのお役に立てれば幸いです。
焦らず、情報をしっかりと吟味し、複数の業者を比較検討することで、価格、技術、サービス全ての面で納得のいくガス給湯器交換が実現できるはずです。



