毎日の生活に欠かせないお湯。
ガス給湯器の交換を考えたとき、最近必ずと言っていいほど耳にするのが「エコジョーズ」ではないでしょうか。
環境に優しく、ガス代も節約できると評判ですが、

一体どんな給湯器なの?



本当にうちにもメリットがあるの?
と疑問をお持ちの方も多いかもしれません。
ガス給湯器は決して安い買い物ではありませんし、一度設置したら10年以上は使うものです。
だからこそ、納得して最適な一台を選びたいですよね。
この記事では、そんなエコジョーズに関するあらゆる疑問にお答えするため、
- エコジョーズの基本的な仕組み
- 具体的なメリット・デメリット
- ご家庭にぴったりの機種を選ぶための詳細なガイド
- 大切な給湯器を少しでも長持ちさせるためのメンテナンス方法
まさに「丸わかり大辞典」として徹底的に解説していきます。
エコジョーズって名前は聞くけど、詳しくは知らない



交換するならエコジョーズがいいのかな?



どんな機種があって、どう選べばいいの?
そんなあなたの悩みを解消し、快適で経済的な給湯ライフを実現するためのお手伝いができれば幸いです。
エコジョーズの基礎知識:従来型給湯器との決定的な違い
エコジョーズを理解するためには、まず従来型のガス給湯器と何が違うのかを知ることが大切です。
ここでは、エコジョーズが高効率を実現する核心技術である「潜熱回収」の仕組みから、具体的な性能比較、そして環境への貢献まで、分かりやすく解説します。
エコジョーズとは?高効率を実現する「潜熱回収」の仕組みを分かりやすく解説


エコジョーズ(ecoジョーズ)とは、少ないガス量で効率よくお湯を沸かすことができる高効率ガス給湯器の愛称です。正式名称は「潜熱回収型ガス給湯器」と言います。
この「潜熱回収」こそが、エコジョーズの心臓部であり、省エネ性能の秘密なのです。
潜熱とは何か?
少し専門的になりますが、「潜熱(せんねつ)」とは、物質が状態変化する際に吸収または放出される熱エネルギーのことです。
例えば、水が蒸発して水蒸気になるときには周囲から熱を奪い(気化熱)、逆に水蒸気が凝縮して水に戻るときには熱を放出します(凝縮熱)。
エコジョーズが利用するのは、この「凝縮熱」です。
ガス給湯器はガスを燃焼させてお湯を作りますが、その際、排気ガスの中には高温の水蒸気が含まれています。
従来型の給湯器では、この水蒸気が持つ熱(潜熱)の大部分は、排気ガスとともに煙突から大気中に捨てられていました。
排熱を再利用するエコな構造
エコジョーズは、この捨てられていた排気ガス中の水蒸気の潜熱を回収し、給水の予備加熱に再利用する画期的な仕組みを持っています。
具体的には、エコジョーズ内部には「一次熱交換器」と「二次熱交換器(潜熱回収器)」という2つの熱交換器が搭載されています。
- まず、ガスバーナーで加熱された高温の燃焼ガスが一次熱交換器を通り、ここで水を直接加熱します(ここまでは従来型と似ています)。
- 次に、一次熱交換器を通った後の排気ガス(まだ約200℃程度の高温)を、そのまま排出するのではなく、二次熱交換器へと導きます。
- この二次熱交換器内で、排気ガス中の水蒸気が結露(凝縮)することで潜熱を放出します。この放出された熱を利用して、熱交換器内を通る「これから加熱される水(給水)」をあらかじめ温めるのです。
- 予備加熱された水が一次熱交換器に送られるため、目標温度までお湯を沸かすのに必要なガス消費量が少なくて済みます。
このように、これまで捨てていたエネルギーを有効活用することで、エコジョーズは高い熱効率を実現しているのです。
例えるなら、料理で出た野菜の皮や芯を捨てずに、美味しい出汁を取るような「無駄のなさ」がエコジョーズの賢さと言えるでしょう。
従来型ガス給湯器との性能比較
エコジョーズの仕組みが分かったところで、従来型のガス給湯器と具体的にどのような性能差があるのかを見ていきましょう。
熱効率の違い(約80% vs 約95%)
- 従来型ガス給湯器の熱効率:約80% ガスを燃焼させて得られるエネルギーのうち、約80%をお湯を作るために利用できていました。残りの約20%は、排気熱として捨てられていました。
- エコジョーズの熱効率:約95%(機種によって多少異なります) 潜熱回収システムにより、捨てられていた排気熱の大部分を再利用できるため、熱効率が約95%にまで向上します。これは、ガスエネルギーのほぼ全てをお湯に変えることができる、非常に高い効率です。
この約15%の熱効率の差が、日々のガス使用量、そしてガス代の節約に直結してくるのです。
排気温度とCO2排出量の違い
- 排気温度:
- 従来型給湯器:約200℃
- エコジョーズ:約50℃~80℃ エコジョーズは排気ガス中の熱を効果的に回収するため、排出されるガスの温度が大幅に低くなります。これは、それだけ熱を有効活用している証拠です。
- CO2排出量: 熱効率が向上し、少ないガス量でお湯を沸かせるということは、同じ量のお湯を作るために必要なガスの燃焼量が減ることを意味します。その結果、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出量も、従来型給湯器と比較して約10%~15%削減できます(使用状況により変動)。
ドレン排水の有無とその意味
エコジョーズが潜熱を回収する過程で、排気ガス中の水蒸気が凝縮して液体になります。
この液体が「ドレン水」または「凝縮水」と呼ばれるものです。
ドレン水は弱酸性(pH3程度)のため、そのまま排出することはできません。
そのため、エコジョーズには「中和器」という装置が内蔵されており、ドレン水を炭酸カルシウムなどで中和(pH7程度に)してから排水します。
このドレン排水は、エコジョーズが効率よく運転している証であり、必ず発生するものです。
したがって、エコジョーズを設置する際には、このドレン水を適切に排水するための配管工事が必要になります。
これが従来型給湯器からの交換で、追加の工事費が発生する主な理由の一つです。
エコジョーズが環境に優しい理由:地球温暖化防止への貢献
上記で述べたように、エコジョーズは少ないガス消費量で効率的にお湯を沸かすことができるため、CO2排出量を大幅に削減できます。
CO2は地球温暖化の主要な原因ガスの一つであり、その排出量を減らすことは世界的な課題です。
家庭で消費されるエネルギーのうち、給湯が占める割合は非常に大きい(約3分の1とも言われます)ため、給湯器を高効率なエコジョーズに交換することは、個々の家庭でできる具体的な温暖化対策の一つとなります。
エコジョーズを選ぶことは、ガス代の節約という家計へのメリットだけでなく、地球環境保護にも貢献する賢い選択と言えるのです。
エコジョーズのメリット・デメリット徹底分析
高効率で環境にも優しいエコジョーズですが、導入にあたってはメリットだけでなく、デメリットや注意点も理解しておくことが重要です。
ここでは、家計への影響から設置条件まで、詳しく分析していきます。
家計に嬉しい!エコジョーズ導入のメリット
エコジョーズ最大の魅力は、やはり経済的なメリットでしょう。
日々のガス代節約効果は、長期的に見ると大きな差となって現れます。
【詳細シミュレーション】ガス代はどれくらい安くなる?家族構成・使用状況別の節約効果
エコジョーズに交換することで、ガス使用量を約10%~15%削減できると一般的に言われています。これにより、年間のガス料金も同様の割合で節約が期待できます。
<ガス代節約シミュレーション例>
家族構成 | 月平均ガス使用量 (従来型) | 月平均ガス料金 (従来型, 150円/m3と仮定) | エコジョーズによるガス使用量削減率 (仮定) | 月平均ガス料金 (エコジョーズ) | 年間ガス代節約額 (目安) |
---|---|---|---|---|---|
1人暮らし | 20m3 | 3,000円 | 13% | 2,610円 | 約4,680円 |
2人家族 | 35m3 | 5,250円 | 13% | 4,568円 | 約8,184円 |
3人家族 | 50m3 | 7,500円 | 14% | 6,450円 | 約12,600円 |
4人家族以上 | 70m3 | 10,500円 | 15% | 8,925円 | 約18,900円 |
※上記はあくまで目安です。ガス料金単価、お湯の使用量、季節、地域によって実際の節約額は変動します。
※ガス料金単価は、ご契約のガス会社や料金プランにより異なります。
特に、お湯の使用量が多いご家庭(毎日湯船にお湯を張る、家族が多い、シャワーをよく使うなど)ほど、節約効果は大きくなる傾向があります。
冬場などガス使用量が増える時期には、その恩恵をより一層実感できるでしょう。
長期的なコストパフォーマンスの高さ
エコジョーズは初期費用が従来型給湯器よりも高めですが、上記のような毎月のガス代節約効果により、数年~10年程度でその価格差を回収できるケースが多くあります(使用状況やガス料金によります)。
給湯器の一般的な寿命が10年~15年程度であることを考えると、残りの期間は純粋な節約メリットを享受できることになり、トータルで見ると非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。
補助金制度の対象になりやすい
エコジョーズは省エネ性能が高く環境負荷低減に貢献するため、国や地方自治体が実施する住宅設備関連の補助金制度の対象となる場合があります。
これらの補助金を活用できれば、初期費用をさらに抑えることが可能です。
補助金制度については、別記事「【2025年最新版】ガス給湯器エコジョーズ交換の補助金制度完全攻略&費用と見積もりの賢い節約術」で詳しく解説していますので、そちらもぜひご参照ください。
導入前に知っておきたいエコジョーズのデメリットと対策
多くのメリットがあるエコジョーズですが、導入前に確認しておくべきデメリットや注意点も存在します。
これらを事前に把握し、対策を講じることで、後悔のない給湯器選びができます。
初期費用の高さ:従来型との価格差と回収期間
エコジョーズの本体価格は、同じ給湯能力や機能を持つ従来型のガス給湯器と比較して、一般的に数万円~十数万円程度高くなります。
この初期費用の高さが、エコジョーズ導入の最大のハードルと感じる方もいるでしょう。
- 前述のガス代節約効果を考慮し、長期的な視点でコストを比較検討する。
- 補助金制度を積極的に活用する。
- 複数の業者から見積もりを取り、本体価格や工事費を比較する。
初期投資はかかりますが、長期的に見れば経済的メリットが大きいことを理解しておくことが重要です。
ドレン排水工事の必要性:設置場所の確認と工事内容
エコジョーズは仕組み上、必ずドレン水が発生し、これを排水するための配管工事が必須となります。
- 排水経路の確保: ドレン水は最終的に雨水桝や汚水桝、または宅内の排水口(浴室、洗面所、キッチンなど)に接続して排水します。設置場所の近くに適切な排水経路がない場合、配管を延長したり、新たな排水経路を設けたりする必要があり、追加の工事費が発生することがあります。
- マンションPS設置の場合: マンションのパイプシャフト(PS)内に給湯器が設置されている場合、ドレン排水の処理が難しいケースがあります。PS内に排水設備がない場合、PS設置専用のドレンアップ方式(ポンプでドレン水を持ち上げて排水する)の機種を選んだり、共用廊下の側溝へ排水するための許可や工事が必要になることもあります。管理規約や管理組合への確認が不可欠です。
- 事前に専門業者に現地調査を依頼し、ドレン排水工事の可否や具体的な工事内容、追加費用の有無を確認する。
- マンションの場合は、管理会社や管理組合にエコジョーズ設置の可否とドレン排水のルールを確認する。
設置スペースの制約や排気の問題
エコジョーズは潜熱回収器を搭載しているため、従来型給湯器と比較して本体サイズが若干大きくなる場合があります。
また、排気方法にも注意が必要です。
- 本体サイズ: 特に古い機種からの交換の場合、設置スペースに収まるか確認が必要です。
- 排気: エコジョーズの排気ガスは水分を多く含み、温度が低いため、白い湯気のように見えることがあります。排気の方向や近隣への影響(窓や給気口との離隔距離など)も考慮する必要があります。
- 業者に設置場所の寸法を正確に測ってもらい、設置可能な機種を選定してもらう。
- 排気に関する法規やメーカーの設置基準を遵守してもらう。
中和器の定期的な交換と費用
ドレン水を中和する「中和器」は消耗品であり、一般的に給湯器本体の寿命(約10年~15年)より短いスパンで交換が必要になる場合があります。
使用頻度や水質によって異なりますが、7~10年程度が交換の目安とされることが多いです。
- 交換費用: 中和器の交換費用は、部品代と作業費を含めて1万円~3万円程度かかるのが一般的です。
- 給湯器の定期点検の際に、中和器の状態もチェックしてもらう。
- エラーコードなどで中和器の寿命が近いことが示された場合は、早めに交換を検討する。
この中和器の交換費用は、エコジョーズのランニングコストとして考慮しておく必要があります。
最適エコジョーズの選定ガイド:我が家にピッタリの一台を見つける
エコジョーズのメリット・デメリットを理解した上で、次に重要になるのが「どの機種を選ぶか」ということです。
給湯能力、機能、メーカーなど、選ぶべきポイントは多岐にわたります。
ここでは、ご家庭の状況に最適な一台を見つけるための具体的な選定ガイドをお届けします。
給湯能力(号数)の選び方:家族構成とライフスタイルに合わせる
給湯器の能力は「号数」で表されます。号数が大きいほど、一度にたくさんのお湯を供給できます。
号数とは?16号・20号・24号の違い
号数は、「水温+25℃のお湯を1分間に何リットル出せるか」を示しています。
例えば、24号の給湯器であれば、1分間に24リットルのお湯を供給できる能力があるということです。
- 16号: 主に1人暮らしの方向け。シャワーとキッチンなど、同時使用が少ない場合に適しています。
- 20号: 2~3人家族向け。シャワーとキッチンなど、2ヶ所同時使用にもある程度対応できます。
- 24号: 4人以上の家族や、お湯を多く使うご家庭向け。浴室とキッチン、洗面所など、複数箇所で同時にお湯を使用しても湯量が安定しやすいです。
冬場は水温が低くなるため、同じ設定温度のお湯を作るのにより多くのパワーが必要になります。
そのため、夏場は問題なくても冬場にお湯の出が悪く感じる場合は、号数アップを検討するのも一つの方法です。
我が家に必要な号数の計算方法・目安
最適な号数を選ぶには、家族の人数だけでなく、お湯の使い方(シャワーの頻度、湯船にお湯を張るか、同時に何ヶ所でお湯を使うかなど)を考慮することが大切です。
<ライフスタイル別 号数の目安>
ライフスタイル | 推奨号数 |
---|---|
一人暮らし、シャワーがメイン、同時使用ほぼなし | 16号 |
二人暮らし、シャワーとキッチン同時使用がたまにある | 20号 |
3~4人家族、シャワーとキッチン同時使用が多い | 24号 |
4人以上の家族、複数箇所で同時使用が多い、お湯切れが心配 | 24号以上 |
迷った場合は、現在お使いの給湯器の号数を確認し、不便を感じているかどうかを基準に選ぶか、専門業者に相談してアドバイスをもらうのが良いでしょう。
一般的に、大は小を兼ねると言われますが、不必要に大きな号数を選ぶと本体価格が高くなり、ガス代も若干ですが余分にかかる可能性があります。
機能で選ぶ:オートタイプとフルオートタイプの違い
エコジョーズには、お湯はり機能に関して主に「オートタイプ」と「フルオートタイプ」の2種類があります。
それぞれの機能と特徴を理解し、ご家庭のニーズに合ったタイプを選びましょう。
オートタイプの機能と特徴
- 自動お湯はり:スイッチひとつで設定した湯量・湯温でお湯はりを自動で行います。お湯はり完了後は自動でストップし、音声などで知らせてくれます。
- 自動追いだき:お風呂のお湯がぬるくなった場合に、設定温度まで自動で追いだきします。
- 自動保温:設定した時間、お湯の温度を自動でキープします(一定時間ごとに追いだき)。
オートタイプは、基本的なお湯はりと保温機能を備えており、シンプルで使いやすいのが特徴です。
フルオートタイプの機能と特徴(自動足し湯、配管自動洗浄など)
フルオートタイプは、オートタイプの機能に加えて、さらに便利な機能が搭載されています。
- オートタイプの全機能:自動お湯はり、自動追いだき、自動保温など。
- 自動足し湯: 浴槽のお湯が減った場合(設定水位より下がった場合)、自動で設定水位までお湯を足してくれます。
- 追いだき配管自動洗浄: 浴槽のお湯を排水する際に、追いだき配管内に残ったお湯や汚れを自動で洗い流してくれます。これにより、配管内を清潔に保ち、次にお湯を張る際も気持ちよく入浴できます。
- 入浴検知(一部機種): 人が入浴したことを検知し、ぬるいと感じたら自動で追いだきを開始する機能などもあります。
フルオートタイプは、より快適で衛生的なバスタイムを求める方におすすめです。
特に、家族が多く入浴時間がまちまちなご家庭や、浴槽のお湯を清潔に保ちたい方にはメリットが大きいでしょう。
どちらを選ぶべき?生活スタイル別おすすめ
- シンプルな機能で十分な方
- できるだけ初期費用を抑えたい方
- 家族の入浴時間が比較的そろっている方
- より快適で便利なバスタイムを追求したい方
- 家族の入浴時間がバラバラで、お湯が冷めやすい・減りやすい方
- 追いだき配管の衛生面が気になる方
- 小さなお子様やご高齢の方がいて、湯温や湯量の管理を自動化したい方
本体価格は、一般的にフルオートタイプの方がオートタイプよりも2万円~5万円程度高くなります。
予算と必要な機能を比較検討して選びましょう。
主要人気メーカー徹底比較:リンナイ・ノーリツ・パロマ
エコジョーズを製造している主要な国内メーカーには、リンナイ、ノーリツ、パロマなどがあります。
各社それぞれ特徴や強みがあり、独自の技術や便利な機能を搭載した製品をラインナップしています。
【特徴・強み】
- 高い技術力と品質で業界をリード。国内シェアトップクラス。
- 省エネ性能の追求に積極的で、熱効率の高いモデルが豊富。
- 「ウルトラファインバブル」搭載機種など、独自機能で快適性を向上。
- デザイン性の高いリモコンや、スマートフォン連携機能なども充実。
- ハイブリッド給湯器「ECO ONE(エコワン)」も有名で、さらなる省エネを追求する選択肢も。
【代表的なエコジョーズシリーズ】
- RUF-Eシリーズ: バランスの取れたスタンダードモデル。
- RUF-Aシリーズ(従来型もあり): コンパクト設計や設置フリータイプなど。
※シリーズ名は変更されることがありますので、最新情報はカタログ等でご確認ください
【特徴・強み】
- 「お掃除浴槽」や「UV除菌ユニット」など、清潔・安心機能が充実。
- 「エコスイッチ」や「マイルド追いだき」など、細やかな省エネ・快適機能。
- 寒冷地仕様の製品も得意。
【代表的なエコジョーズシリーズ】
- GT-Cシリーズ(ユコアGT): 主力のエコジョーズシリーズ。ラインナップ豊富。
- GT-*62シリーズなどが一般的。
※シリーズ名は変更されることがありますので、最新情報はカタログ等でご確認ください
【特徴・強み】
- 堅実な製品づくりと、比較的リーズナブルな価格帯が魅力。
- 「BRIGHTS(ブライツ)」シリーズなど、スタイリッシュなデザインも。
- 「エコモード」や「Q機能(お湯の再出湯時温度の安定化)」など、使いやすさに配慮した機能。
- 安全機能にも注力。
【代表的なエコジョーズシリーズ】
- FH-Eシリーズ(BRIGHTS): デザイン性と機能性を両立した主力シリーズ。
- DH-Eシリーズ(エコジョーズ): スタンダードなエコジョーズ。
※シリーズ名は変更されることがありますので、最新情報はカタログ等でご確認ください
その他メーカー(パーパスなど)の特徴
- パーパス:
- 「HARMONY(ハーモニー)」シリーズなど、独自技術を持つ。
- 「エコ運転機能」や「お湯張り予約」など、使い勝手の良い機能。
- 一部地域で根強い人気。
- 省エネ性能: 各社のカタログで熱効率(給湯・ふろ)を確認しましょう。
- 独自機能: 上記で紹介したような、各メーカーならではの便利機能や快適機能が、自分のライフスタイルに合うか検討しましょう(例:リンナイのウルトラファインバブル、ノーリツのUV除菌)。
- リモコンのデザイン・操作性: 毎日目にするリモコンは、デザインの好みや操作のしやすさも重要です。ショールームなどで実物を確認できると良いでしょう。
- 価格帯: 同じような機能・号数でもメーカーによって価格が異なる場合があります。予算と機能のバランスを考えましょう。
- 信頼性・アフターサービス: 各メーカーとも一定の品質はありますが、長年使うものなので、保証期間やアフターサービスの体制も確認しておくと安心です。施工業者に各メーカーの評判や特徴を聞いてみるのも参考になります。
- ユーザー評価・口コミ: 実際に使用している人の声も参考にしてみましょう。ただし、個人の感想なので、あくまで参考程度に留めるのが良いでしょう。
最終的には、複数のメーカーの製品を比較検討し、ご自身の優先順位(価格、機能、デザイン、信頼性など)に照らし合わせて、最も納得のいく一台を選ぶことが大切です。
設置場所と排気タイプを確認する
エコジョーズを選ぶ際には、現在お使いの給湯器の設置場所と排気タイプを確認し、それに合った(または設置可能な)機種を選ぶ必要があります。
【戸建住宅】
屋外壁掛型、屋外据置型が一般的。
比較的設置の自由度が高いですが、隣家との距離や窓の位置などを考慮して排気方向を決める必要があります。
【マンション】
パイプシャフト(PS)設置型(PS標準設置、PS扉内設置、PSアルコーブ設置など)、ベランダ壁掛型などがあります。
PS設置型の場合、設置スペースや排気筒の制約、ドレン排水の処理方法などが戸建てよりもシビアになることがあります。
管理規約でエコジョーズの設置が許可されているか、ドレン排水の共用配管があるかなどを事前に確認する必要があります。
屋外壁掛型: 戸建てやマンションのベランダの壁面に取り付けられるタイプ。最も一般的です。
屋外据置型: 戸建ての住宅横の地面やブロックの上に設置するタイプ。
PS標準設置型: マンションのパイプシャフト内に、排気筒を上方へ伸ばして設置するタイプ。
PS扉内設置型(前方排気/上方排気): パイプシャフトの扉内に設置し、排気を前方または上方に行うタイプ。
PSアルコーブ設置型: マンションの玄関脇などのアルコーブ(壁のくぼみ)に設置するタイプ。
現在の設置タイプと異なるタイプへの変更は、追加工事や費用が発生したり、そもそも設置が難しかったりする場合があります。
基本的には、現在と同じ設置タイプの後継機種を選ぶのがスムーズですが、変更を希望する場合は専門業者とよく相談しましょう。
エコジョーズを長持ちさせる秘訣:寿命とメンテナンス
高価なエコジョーズですから、できるだけ長く、快適に使いたいものです。ここでは、エコジョーズの一般的な寿命と、その寿命を最大限に引き出すための日常のお手入れ方法や定期点検の重要性、故障のサインについて解説します。
エコジョーズの耐用年数:一般的な寿命はどれくらい?
メーカー設定の標準使用期間と実際の寿命
多くのガス給湯器メーカーは、製品の「設計上の標準使用期間」または「安全使用期間」を10年と設定しています。
これは、標準的な使用条件のもとで安全上支障なく使用することができる標準的な期間を示したものであり、製品の保証期間とは異なります。
実際の寿命は、この10年を一つの目安としつつ、使用頻度、設置環境(風雨にさらされやすいか、塩害地域かなど)、水質、メンテナンス状況などによって大きく変動します。
一般的には、10年~15年程度が交換時期の目安と言われています。
10年を超えると、部品の経年劣化が進み、故障の頻度が増えたり、修理部品の供給が終了したりする可能性が高まります。
使用状況や設置環境による寿命の違い
- お湯の使用量が多い家庭: 部品の摩耗が進みやすく、寿命が短くなる傾向があります。
- 井戸水や硬水の地域: 熱交換器などにスケール(水垢)が付着しやすく、効率低下や故障の原因となることがあります。井戸水対応機種を選ぶか、定期的な内部洗浄が必要になる場合があります。
- 沿岸部(塩害地域): 外装や内部部品が錆びやすく、寿命が短くなることがあります。塩害対策仕様の機種を選ぶか、防錆処理を施すなどの対策が必要です。
- 寒冷地: 凍結による故障リスクがあります。凍結予防ヒーターが正常に作動しているか確認し、適切な対策を講じることが重要です。
日常でできる簡単なお手入れ方法
エコジョーズを長持ちさせるためには、日常的な簡単なお手入れも効果があります。
- 給湯器本体: 外装の汚れを柔らかい布で拭き取ります。特に排気口周辺がススなどで汚れていないか確認しましょう。
- リモコン: 表面の汚れを拭き取ります。水濡れには注意してください。
給湯器の給水口には、ゴミやサビの混入を防ぐためのフィルターが付いている場合があります。
取扱説明書に従って、定期的にフィルターを点検し、汚れていれば歯ブラシなどで清掃しましょう。
詰まっているとお湯の出が悪くなることがあります。
定期点検の重要性と内容
人間が定期的に健康診断を受けるように、エコジョーズも専門家による定期的な点検を受けることが、安全かつ長期間使用するためには非常に重要です。
メーカーや専門業者による推奨点検頻度
多くのメーカーやガス会社では、3年~5年に一度程度の定期点検(有償)を推奨しています。
特に設置から7年以上経過した給湯器は、点検を受けることが望ましいでしょう。
点検でチェックされる項目
定期点検では、以下のような項目をチェックします。
- ガス漏れ、水漏れの有無
- 給排気の状態(排気筒の詰まりや外れなど)
- 燃焼状態(炎の色、CO濃度など)
- 安全装置の作動状況
- 中和器の状態
- 電気系統の接続状況
- 各部品の劣化状況
早期に不具合を発見し、軽微なうちに修理や部品交換を行うことで、大きな故障を防ぎ、結果的に寿命を延ばすことにつながります。
故障を疑うべき初期サインと早期発見のポイント
給湯器は、完全に故障する前に何らかのサインを発していることが多いです。
これらの初期サインを見逃さず、早めに対処することが大切です。
- 設定温度よりもぬるいお湯しか出ない、または熱すぎることがある。
- お湯を出してから設定温度になるまでに以前より時間がかかるようになった。
これらの症状は、内部部品の劣化やセンサーの不具合などが考えられます。
- 以前よりも運転音が大きくなった、または「ゴーッ」「ブーン」といった異音がする。
- 点火時に「ボンッ」という小さな爆発音がするようになった。
ファンモーターの異常や、不完全燃焼の兆候である可能性もあります。
特に爆発音は危険なサインなので、すぐに使用を中止し点検を依頼しましょう。
- 排気口から焦げ臭いような異臭がする。
- 排気口から黒い煙やススが出る。
これらは不完全燃焼を起こしている可能性が高く、一酸化炭素中毒のリスクもあるため非常に危険です。
直ちに使用を中止し、換気を行い、専門業者に連絡してください。
給湯器本体や接続されている配管から水が漏れている場合は、内部部品の破損やパッキンの劣化などが考えられます。
放置すると他の部品の故障や漏電の原因にもなるため、専門業者を呼ぶなどして早めの対処が必要です。
リモコンにエラーコードが表示される場合は、給湯器に何らかの異常が発生しているサインです。
取扱説明書でエラーコードの内容と対処法を確認し、リセット操作で改善しない場合や、頻繁に同じエラーが表示される場合は、専門業者に点検を依頼しましょう。
- 111、11(リンナイ)、110(ノーリツ): 点火不良。ガス栓が閉まっている、ガスメーターが遮断している、給排気不良などが原因。
- 710、71(リンナイ)、E06(ノーリツ): 燃焼制御系の異常。
- 290(リンナイ)、901(ノーリツ): 中和器詰まり、ドレン配管詰まり。
これらのサインに気づいたら、「まだ使えるから大丈夫」と放置せず、早めに専門業者に相談することが、安全確保と修理費用の低減、そしてエコジョーズの寿命を延ばすことに繋がります。
冬場の低温時には、給湯器本体や配管内の水が凍結し、破損や故障の原因となることがあります。
エコジョーズには通常、凍結予防ヒーターが内蔵されていますが、それだけに頼らず対策を講じることが大切です。
- 凍結予防ヒーターの作動確認: 給湯器の電源プラグは抜かないようにしましょう。ヒーターが作動しなくなります。
- 配管の保温: 屋外に露出している給水・給湯配管には、保温材を巻くなどの対策が有効です。
- 長期間不在にする場合: 取扱説明書に従い、給湯器本体や配管の水抜き作業を行うことを検討しましょう。
- 微量通水(最終手段): 非常に冷え込む予報の夜などは、ごく少量(糸を引く程度)の水を出しっぱなしにすることで凍結を防ぐ方法もありますが、水道代がかかるため最終手段と考えましょう。
万が一凍結してしまった場合は、無理に熱湯をかけたりせず、自然解凍を待つか、専門業者に相談してください。
エコジョーズで快適・経済的な給湯ライフを実現しよう
ここまで、ガス給湯器エコジョーズについて、その仕組みからメリット・デメリット、機種の選び方、そして長持ちさせるためのメンテナンス方法まで、詳しく解説してきました。
エコジョーズは、高い熱効率でガス代を節約し、環境負荷も低減できる、現代のガス給湯器の主流です。
初期費用は従来型よりも高めですが、長期的なコストパフォーマンスや補助金制度の活用を考えれば、十分にその価値があると言えるでしょう。
最適な一台を選ぶためには、ご家庭の家族構成やライフスタイル、お湯の使い方をしっかりと把握し、給湯能力(号数)や機能(オート/フルオート)、そして信頼できるメーカーの製品を比較検討することが重要です。
そして、導入後も定期的なお手入れや専門家による点検を怠らず、故障のサインを見逃さないことで、大切なエコジョーズを安全に、そしてできるだけ長く使い続けることができます。
給湯器の交換は大きな決断ですが、正しい知識を持って臨めば、きっと満足のいく結果が得られるはずです。