論理的思考にはベースがある
大人の世界では、論理的思考をロジカルシンキングと英語読みし、特にコンサル業界特有の言葉なのですが、ベースとなる考え方がいくつかあるようです。
- MECE:Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略。全ての情報を網羅する考える手法。
- ファクトベース:事実(FACT)だけを元(BASE)に考える手法。
- ゼロベース:先入観を持たずに考える手法。
- So What/Why So:「だから何?(So What)」「なぜそう思う(Why So)」どのような根拠で、それは適切なのかと考える手法。
考えをまとめ、情報を出す
その論理的思考、考えるだけではどうにもならないので、単なる妄想自分の考えをまとめ、分かりやすく説明する必要があります。どのような場面なのでしょうか。
説明する行為には、次のような場面が考えられます。
- 自分の今年度の実績について、どのように説明したら評価が上がるか。
- クライアントに自社の製品を購入してもらうために、どのように説得するか。
- 高額の設備やソフトウェアを導入するために、上長、しいては社長をどのようにして口説くか…など
これって経験した人にしか分からない切実な問題なんですよね。1番目の自己評価を上げるというのは、お金が絡んできますので、死活問題と言えましょう。
営業職の人は、新規開拓する際やクライアント先で新たに購入してもらうために、2番目の場面に出くわすことでしょう。1番目の自己評価というのもありますよね。
3番目なんぞは、法的にどうこうしなければならないということでなければ、仕事の効率を上げるためだけですと、上長や社長は首を縦に振ることはまずないでしょう。
情報を目的に応じて表現することが、できる大人の論理的思考と言えます。
表現方法について
表現方法は、フレームワークと呼ばれ、次のようなものがあります。
- ロジックツリー
- SWOT分析
- SMARTの法則
- PDCA
- ピラミッドストラクチャー
- SCAMPER
- プロダクトライフサイクル
- AIDMA
- 4P
- 4C
- QCD
- 5Forces
- 3C7S
- 5W1H…などなど
「おぉ」なんて思われた方も多いかと。5W1Hは今でもよく聞く言葉ですし、一時流行った計画を立てる際に使うPDCA、最近ではSWOT分析などと、海外のコンサル界隈では「手を変え品を変え」なのでしょうか。
それぞれのフレームワークは特化しており、色々な場面で活用するってのは非常に難しいです。表現方法に流行り廃りもありますし。「何々はもう古い!時代は●●だ」などと言っている意識高い系な人もいるようですが、周りに振り回されず、時と場合、あるいは自分の好みによって、賢く使い分けるとよいですね。
パワーポイントに入っている「SmartArt グラフィック」なんていう便利な物がありますが、それらもフレームワークと言えますね。
説得する場面で、PDCA(Plan/Do/Check/Action)やSWOT分析なんていうのは、明らかに違いますし。(;^o^A
まぁ、何かの計画を説明する際に使うケースはあるかな。
実際の場面を妄想してみる
表現方法が色々あるのは分かったとして、知識だけの頭でっかちではどうしようもありません。
例として、次のような場面を妄想してみましょうか。題して、「業務改善のため、高額のソフトウェアNugpurbirds(このサイトの旧ドメイン名です。汗)を導入したいので、上長・社長を口説く」の巻。
仕事を2人でやっていたものの、2時間残業して対応していた。そのため、高額のソフトウェアNugpurbirdsを導入したい。
でも、300万円もする。こいつさえ導入すれば、2人で作業していた仕事が1人で作業でき、しかも2人がかりで10時間掛かっていた仕事が1人8時間で終わるから、時短できるのは明らかだ。
その場合、人数削減によりコスト削減できることをアピールポイントとします。そのために、現状のスタッフで作業した際のコスト(10時間/日)、1人減ることにより削減するコスト及び8時間労働によるコストを算出。
例えば、スタッフの時給が1500円だったとすると、1日換算(8時間)すると、12,000円也。2時間残業(10時間)とすれば、15,000円也。
15,000円を月換算(20日)とすれば、300,000円。年換算(240日)とすれば、3,600,000円(!)になります。
これが、2人がかりの作業だったらどうなるでしょうか。その2倍の7,200,000円という金額に!?
ソフトウェア導入により、なんと3,000,000円/15,000円(1日のコスト)=200日で元が取れることが分かります。更に次のことが分かってきます。
- 作業は1人で済むため、初年度だけでも、2人分のコスト7,200,000円ー3,000,000円=4,200,000円のコスト削減となる。
- 導入1年目位で元が取れ、それ以降からは1人分の人件費8時間分でOK。
※例では分かりやすくするために、一部情報を端折りましたが、厳密に言ってしまうと、10万円を越える物品などは、1年毎に固定資産税が掛かりますし、残業すれば、その分の手当てが更に必要となりますので、金額にそれらも考慮する必要があります。
この妄想をテンプレートとしてお使いになる方は、くれぐれもご注意ください。
5年位までのコスト試算した対比グラフなんぞ描いて、「5年経てば、約2億円のコストダウンになります」なんてプレゼンしたら、あら不思議。首を縦に振らなかった上長や社長もOKというではありませんか…。
これは、あくまで妄想であって、相手が人間なので、実際はどうなるか分かりません。年割にできないかとか、リースに出来ないかとかいう前向きな逆提案ならよいですが、「300万円なんて出せっこない」なんて後ろ向きなことを言われることも考えられますし、その日の気分(機嫌?)によってとかいうのもあったりして。
大人の論理的思考は、こういう事例も考えられるということで。
ロジカルシンキング関連のお勧め本
ロジカルシンキング関連も色々な本があり、迷ってしまうかも知れませんね。私が読んだ中でいくつかお勧めの本を紹介します。ある程度ロジカルシンキングをご存じの方にとっては、がっかりな物かも知れませんが、まずは、取っ掛かりにロジカルシンキングを調べてみようという向きにはお勧めです。
【マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング】
宝島社の「まんがでわかるシリーズ」は大好評みたいで、私もいくつか購入しています。漫画世代の私にはうってつけだったりして。
今回の主人公は、イベント会社に勤務する桃子ちゃん。5年も会社にいて、自分の企画を通したことがなく、上司からは「ダメ社員」の烙印を押されていた桃子が、偶然、外資系会社に勤めていた幼馴染と再会する所から話が展開。
「ロジカル・シンキング」の存在を知ることになり、次々に迫り来る仕事の難題に、どう立ち向かっていくのかというストーリー。
「営業、企画、プレゼン 仕事が10倍うまくいく! 世界基準の思考整理術をマンガでやさしく紹介!」という触れ込みだけれど、10倍うまくいくかは本人次第。(;^o^A
「まんがでわかるシリーズ」は漫画の方もよくできており、話に引き込まれていく感じがします。「10倍うまくいく!」というインパクトのあるサブタイトルを付けているせいか、一部内容が薄いという厳しいレビューもありますが、何百ページもある意味不明な用語満載の専門書よりよっぽど分かりやすいです。
【マンガでわかるファシる技術 (Futaba Culture Comic Series)】
すいません。またもや漫画本です。ビジネスコミック『マンガでわかる 必ず伝わる! ロジカル会話術』第2弾の作品。会議って結構難しかったりするんですよね。ファシリテーション、所謂会議の仕切り方について分かりやすく書かれています。
「なかなか、そうはならないような」というレビューもありますが、その通り!会議も場数を踏まなければうまく仕切れません。頭でっかちではなく、何事も実践を踏まないとダメなのですね。やっぱり。
ビジネスコミックの類は、おじさんが見るのが分かっていて、女の子が主役というのが多いですな。個人的には嬉しいけど。
【マンガで読める マッキンゼー流「問題解決」がわかる本 】
何度もすいませんねぇ。またまた漫画でございます。(;^o^A これは、問題解決について書かれた本で、主人公の天野岳が、売れない和菓子屋を立て直そうとしている時に、2年上の先輩である広瀬ほまれと偶然再会。和菓子屋を立て直そうと奮闘するストーリー。
ツリーや3C分析などなど色々なフレームワークが紹介されており、問題解決のためのエッセンスがちりばめられた本と言ってよいと思います。漫画の方も、もちろん面白かったですよ。(^o^)
女性のイラストが表紙を飾っていますが、この作品は男性が主人公なんですね。女性のイラストの方が、おじさん達にウケがいいのかも…。
【ロジカルシンキングで面白いほど仕事がうまくいく本 (超解) 】
私だって、読むのは漫画だけじゃないという実例です。(;^o^A 「ロジカルシンキングの構成はたった3つ!」と断言するのは、著者の本田一広氏。情報整理にツリー・マトリクス・プロセス構図を使いこなせば、色々な物に対応できるという。
「情報を取捨選択し、情報を整理。どのような論理展開で相手が理解できるか考える」という分かっていても実践できない内容が書かれています。
ここに書かれている手法だけに限らず、自分の得意なフレームワークというのを見つけておくと、いざという時に役に立ちますものね。
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